パーキンソン病とは
自分の意思ではないのに勝手に手足が震えてしまう。歩く際に前傾姿勢となって、歩幅が狭くなって、手の振りが無くなる。さらに顔の表情も硬くなるなどの症状がみられる場合は、パーキンソン病が疑われます。
同疾患は、脳の黒質(中脳の一部を占めるとされる神経核)による変性が原因と言われ、それによってそこでつくられる神経伝達物質の一種であるドーパミンの量が低下していき、そのことによって黒質からの情報伝達経路がうまく働かなくなって、先にも述べた症状(動作が不自然になる、ぎこちない など)が起きるようになるのです。遺伝することもあります。なお病状は数年かけて徐々に進行していきます。60歳を過ぎた頃に症状が現れ始めやすいとされ、男女比ではやや男性が多いと言われています。
治療に関してですが、完全に治癒する治療法というのはありません。多くは、薬物治療によって症状を軽減し、日常生活に支障をきたさないようにしていきます。なお薬物療法では効果がみられないなど、一定の条件を満たした場合については、手術療法(深部脳刺激療法(DBS):電極を脳に植え込んで、電気刺激によってパーキンソン病の症状を抑えていく)やL-dopa持続経腸療法(duodopa)が検討されます。
パーキンソン病の進行には個人差があります。症状の進行によって思うような動きができないという場合は、併せてリハビリテーション(リハビリ)も行われます。その内容とは、体力や筋力の維持のための運動、筋肉と関節の柔軟性を維持するための運動、姿勢や歩行の改善などです。